イタリア行きたい。

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「白ニットはモテない男子の特徴」といったような風評被害に心を壊され自分を失くした男

時は先月までさかのぼる

 僕は高校時代の剣道部の同期ねこ缶*1とKの三人で飲み会をした。Kは同期の女子部員でかわいらしい雰囲気の女性*2だ。最近婚活を頑張っているので応援してあげてほしい。Kと会うのは久しぶりで最後に会ったのは大学の頃だった気がする。久しぶりに会うので、僕はわりかし緊張していた(ことにしておく)。

 

ねこ缶の家でその会は開かれたわけで、僕とねこ缶は箱根温泉の旅の帰りで先に家で待っていた。

9時半ごろ、Kが来た。

Kは入ってきて簡単に挨拶をした後、笑いながら僕に言った。

「こないだ読んだ雑誌でさー、『白ニット着てる男性はモテない』って載ってて、今日来てみたらイトシが着てて、マジだったから笑っちゃったwww」

 

僕はその時、お気に入りの復活させた白ニットを着ていた。

白ニットと言ったらモテる男の必須アイテムではないのか??

「白ニットつったらおしゃれアイテムの一つだろ!それに俺がモテねぇ男っていうのはどういう了見だ!!!白ニットの可能性を信じろ!白ニットは神だ!!お前も白ニットが稼いできたメシでこんだけ大きくなったんだろ!おい!!」と心の中でわけもわからんことを怒鳴りブチ切れたが、小心者の僕は普通に傷ついた。僕は白ニットというものに絶対の信頼を置いていた。女ウケはいいと思っていたし、おしゃれをするときにも白ニットを着ていた。これさえ選べば間違いないと思っていたが、目の前の本物の女子にそれを否定されてしまった。

僕は静かに白ニットを脱いだ。それまで持っていた白ニットの自信とともに脱いだ。

ネットや雑誌でどうこう言われるが、結局は目の前の本物の女子の意見がすべて。否定されてしまえば、その時点ですべてが虚構に帰してしまう。メディアとはそういうものだ。

 

しかし、後日になって頭を冷やして考えてみると、そもそもあの発言は雑誌のものであるということに気付いた。雑誌も所詮メディアである。それでは、私は「白ニットはモテない男の特徴」という風評被害に振り回されていただけだったのではないかと思うようになった。そうなれば湧いてくるのは、白ニットをモテない男の特徴と下げたその雑誌への怒りであった。

すぐさま自分の正義を信じ、googleで検索をかけた。

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「白ニット」 「メンズ」と検索をかけただけで五番目には「モテる」と検索候補に出てくる。

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検索結果でも白ニット=モテるという構図は完璧に形成されていた。

やはり、俺の白ニットは間違っていなかったのだ。やはり白ニットは正義だ。白ニット神である。

そう確信したが、どうしても「白ニットはモテない男の特徴」という記事を書いた雑誌が気になってしまったのだ。ここまで支持されている白ニットを貶める理由は?白ニットに親でも殺されたのだろうか。白ニットにエルフの森を焼かれたのであろうか。

疑念は増していく。風評被害に振り回されたくはないが、思考は一つの結果にたどり着いてしまったのだ。

 

 

 

「白ニットがファッションにおける最適解になってしまっている」

上の画像の検索結果でもあるが、白ニットというものは「=モテる」であったり「=鉄板」と表現されている。冬アイテムの最適解なのである。つまり大学生におけるボーダー、工学部生におけるチェックシャツ。これがなにを示すのか。結果としてモテない男子も白ニットを着るようになるのだ。

白ニットを着ているからモテるのではなく、モテる男が白ニットを着るからいいのだ。それなのに、モテるという理由で白ニットを着てしまえば、没個性となってしまう。ファッションというものは個性を表現するものであるのに、ただ白ニットを着ているだけでは没個性、確かにモテない男に成り下がってしまう。そういった男は白ニットを着ているのではなく、白ニットに着られているのだ。

彼女のいった表現の真意はこういう意味かもしれない「松坂桃李が白ニット着てたらめっちゃかっこいいけど、イトシが着てるのはモテないでしょ」そういう意味だ。

僕はファッションというものをなめていたのかもしれない。個性を表現する場であるファッションという舞台で、モテるからという理由でその恰好をするのは大きな間違いである。だったら自分がいいと思う組み合わせを着るべきだ。

そもそも自分が本当に着たい服とは何だろう。

 

これは「白ニットはモテない男子の特徴」という風評被害に(白ニットが形成していた)心を壊され、自分というものを失くした男の物語である。

*1:参照記事は

俺は箱根を股にかける男 - イタリア行きたい。

*2:本人にこのブログの紹介をしてしまったので見られている可能性を示唆してとりあえず持ち上げることにした。