イタリア行きたい。

おおよそ誰の役に立たないブログを書いています。

雪が降り注ぐ夜道の中、傘をさしてしんしんと歩くことは贅沢なことではなかろうか。

雪が降った。

 この数日は悪天候が続き、修学旅行に出かけている二年生たちにとっては少し残念な日になってしまうだろう。

 

そういう僕も悪天候にはよい印象を抱くことができない。

日課にしているランニングができないからだ。

朝から多量の雨が降り注ぎ、僕の行動を阻害する。「テイルズオブ」シリーズには「アシッドレインという行動速度を落とす術がある。まさにそれだ。

朝から萎えに萎えた僕は部屋の中で段差の昇降運動を始めた。

これがまたキツイ。20分もしないうちに、体からは汗が吹き出しもはや風呂いらずである。

昇降運動なんざテレビ見ながら痩せようとしているおばさんと健康維持のために運動しているおっさんのための運動だと思っていたが、これは認識を改める必要がありそうだなと思った。

これからは日課に加えようと思ったが、部屋で同じ場所を上ったり下りたり上ったり下りたり上ったり下りたり繰り返している姿を想像すると不気味で仕方ないのでやめた。

 

 

仕事も終わり、夜になった。

大事な仕事の電話*1が全くかかってこなくて気分が焦っていたが、無事にかかってきた。しかし、何となく外の空気を吸いたい気分になった。外はかなり強く雪が降っているが、走るのは無理にしても歩くことはできるのではないかと思い立ち、街に繰り出すことに決めた。

外に出てみると雪はかなり積もっており、人のいた跡だけが残っていた。その跡に歩幅を重ねて歩こうとしたが全力で開いてもまったく合わせることができず、マイケルジョーダンを連想してしまった。よくよく考えたが、俺の股下は短い。

アンニュイな気分に陥りながらも街中を歩いていると、一軒の喫茶店にたどり着いた。いい感じの喫茶店だ。入ってみようと思ったがすでに営業時間外だった。あきらめて歩いていた方向と反対側にあるコメダ珈琲に入ることにした。

コメダに入ると職場の同僚に出会った。週に数回は本を読むためにコメダに立ち寄っているそうだ。なかなかに女性受けのよさそうな習慣だなと思った。時間さえあればジムに行く習慣はなにか人間としての敗北を感じたので、今度からジムに行く時は本を持っていこう。ジムのソファに腰かけ本を読むのだ。

そんな自分の世界にひたりながらココアを飲んでいると時計はおよそ10時を指した。もう時間だと思いコメダを後にした。

帰り道はなんとも寂しい感じがした。水気のある雪だったので、雪解けが始まっていた。バシャバシャと音を立てて自宅へ戻る。足元が不快だ。雪があったときは気にすることなどなかった。しかし、溶けてみればただの水。魔法が解けてしまった。

小さな冒険の旅はおよそ二時間程度だった。何を得たわけでもないがその二時間はどこから見てもただの二時間だった。

今日の朝、目覚めると左足が肉離れを起こしていた。あと、鼻水も止まらない。

 

 

もう二度と思い付きで雪道を歩いたりしない。

大抵の物語にはどこかに転機があるものである。物語の基本は「起承転結」である。しかしそうそう僕の生活の中に「転」が見つかるわけでもない。劇的な人生を歩んでいるわけでもない。

こんなになんでもない文章をここまで読んでくれているあなたは相当なもの好きか、相当な僕のファンなのかどちらかだろう。感謝を伝えたい。

完全に僕の文章の敗北です。

スイッチの切り替えというものは確実にあって、一度小説口調で書き始めると元の世界に戻ってくるのは難しい。昨日の記事に引っ張られ過ぎたのだ。

また数日したら以前の僕は戻ってくるかもしれないし戻ってこないかもしれない。

今言えることはただ一つ、脚注に衝撃の事実を残しておきました。

 

 

*1:来年から定時制です。