チョコ、奪い合い冬
さて、2月14日
某お菓子会社の策略により「非モテ」と「モテ」がはっきりと区別される日「バレンタイン」
そんな日に心を悩ませるは甘酸っぱい思い出を求めるのが学生たちである。
かくいう筆者のイトシも学生時代にはソワソワしていた!!
そんな「非モテ」代表イトシの中高のバレンタインを振り返ってみよう。
中学編
中学時代のイトシはオタクである。
当時、オタクの肩身は狭く「え、お前ジャンプ買ってんの?オタクじゃん。コンビニで立ち読みしろよ。」と言われた時は、非オタのモラルの低さに傷つき涙を流した。
オタクはオタクでも肩身がせまいのは嫌だったので、オタク界隈の中でも少しでも優位に立とうと中途半端に偉そうにしていたのは痛い思い出だ。
そんな時代のバレンタインを思い出そう。
中学二年の時だったかな。
朝、僕はなんの期待もせずに登校した。机の中の教科書をとろうすると、異物が・・・
ガーナのチョコレートでした。
僕は鼓動が早くなるのを感じ、変な汗をかいていたと思う。
近くにいた友達が、「何か入ってたの?」と聞いてきたが、僕はとっさにかくして、何もなかったよ。ととっさに嘘をついて、かばんの中にしまった。
その日一日何も集中することができなかった。
授業も友人との会話も上の空だった覚えがある。
そして、帰り道一人でチョコレートを開けると、中に手紙が・・・
ぼんやりとだが覚えている。
「前から気になっていました。チョコレートを送ります。 M.K」
M.Kははっきりと覚えている。
当時ガンダムが好きだったので、MK2を連想するからだ。
その次の日から僕のチョコレート主特定大作戦が始まったのだ、クラスの名簿をあさり、学年の名簿をあさり、挙句の果てには生徒会書記の権限を使い、学校の名簿を漁った。
しかし、中学時代の僕は、イニシャルの一文字目が苗字なのか名前なのかわからず捜査は難航した。
そんなこんなで、容疑者も大体数人に絞りこめた一週間後・・・僕は呼ばれた。
友達に。
「お前、バレンタインの日、机にチョコレート入ってたでしょ?あれ、、、俺のイタズラでしたー」
その瞬間、僕は膝から崩れ落ちた。
一週間の俺の純情を返せ。あの感じたことのないときめきを返せ。
それ以来、僕はバレンタイン恐怖症になってしまったのだ。
(ちなみに、この時、首謀者の友人たちの中にM.K.はいませんでした。
もし、恥ずかしがって出てこれないのでしたらこの機会に名乗り出てくれてもいいんですよ。M.Kさん。)
高校編
この男、「非モテ」を拗らせすぎていたのである。
登校時、下駄箱チェック!!教室に入りデスクチェック!!教室でチロルを配っている女子に意味ありげに近づく!帰りはもちろん、下駄箱チェック!
中学時代のトラウマが原因で口では「いや、別にチョコレートとかいらねぇし」と嘯いてはいるが、はっきり言ってワンチャンを期待している!!
大学デビューした新入生が新歓コンパでワンチャンを狙う謎の自信と同じ原理だ。
しかし、この男そのための施策、ゼロである!
なぜ、貰えると思ったのか、完全に思考回路がモンスター。
平成が生んだモンスターである。
もちろん、女子にさりげなくアピールをする事や、おもむろにお菓子が好きなアピールをしたりと、作戦は練っていた。しかし、このモンスター、シャイ。圧倒的にシャイ。
全くもって実行に移さなかった。
そんなこんなで、高校生活三年間のバレンタインは幕を閉じたのであった。
ちなみに後日談であるが、大学生になったのちのイトシに高校時代の女子のクラスメイト達は、「イトシって明らかに女子のこと避けていたよね」と言われました。反省しています。
そんなこんなで、学生時代にはバレンタインとの縁はなかったイトシでした。
しかし、何を思ったのか、再び教師となって学校に舞い戻ってしまったイトシ。
なぜ、この地獄に俺は戻ってきてしまったんだろうか。
現役のキラキラしている高校生たちを横目に俺は、13日テスト前日に
「明日はバレンタインデーで、チョコレートと張り切っている方たちもいると思いますが、羽目は外さないように。ちなみにおせっかいではありますが、チョコレートは集中力を高めるという効果があるといいますが、あれは最初の15分のみの話でそれ以降は一気に低下します。テストでは全く効果がないので、やめといたほうがいいですよ」
と全くもって大人げない発言で生徒たちをけん制しました。反省しています。
バレンタインデー当日、まったくチョコに縁のなかった俺は、仕事終了後カラオケに直行して三分の一の純情な感情を全力で歌った。