夢という恐ろしい言葉
今日のブログは少しポエムじみていて、夢男子が書いたような文章になります。
それ相応の覚悟と、多少の軽蔑の目線で読んでもらえると幸いです。
ふと、この職業についてから度々思い出すことがある。
大学時代に後輩から受けた相談だ。
「僕、高校教師になりたいってい気持ちもあるんですが、中学校からの歌手って夢もあきらめられないんです。どうしたらいいんでしょうか。」
後輩は、帰りの車の中でふと口を開いて言葉を発した。
僕は、そのつぶやきに陳腐な言葉を返した。
「お前が目指したいと思ってるなら大切にした方がいい。けど、その夢をかなえるためにはそれ相応の覚悟と行動が必要だと思う。応援はしてるよ。」
私の母校は県内の教員系の就職を担っている名の通った教育系大学だ。
進学者の多くが教員志望で、かくいう自分も現在高校教師をやっている。
後輩のその時の相談の真意に関しては、推し量ることはできないが
彼が高校教員に対して憧れを持っているのは本当の気持ちであろう。
そして歌手に対しても冗談でなく考えているのだと思った。
後輩は歌がうまい。新入生歓迎コンパでも「青いベンチ」を披露して場を魅了していたのを思い出す。
部活もフォークソング部に所属していた。
人から言わせれば「本気?感じられないんだけど」という。
当然だ、本気で歌手になりたいものはもっと手広く活動をして言うのに違いないのだから。
さて、背景について大体話したところで本題に移ろう。
「なぜ」この話題について思い出すのか。
生徒の進路相談をしていると「本気で声優になりたい」「プロ野球選手になりたい」といった相談を受ける。
高校教師からしたら”あるある”だろう。
そこでどういう答えをするかは、教員によるが、僕が思いつくのは二パターン。
①他の道を勧める
本気度が感じられなければ否定ないし、第二の選択を進める。
現実的じゃないからとか、社会人になってからでもなれるとか。
親的にはうれしい選択だね。
②可能な限りで応援する。
過去にどのような経路で芸能人になったかなどを統計を取ったり、そういった学校への進学を調べて教える。
熱血でかっこいいね。
選択的にはどちらも「生徒を」思っての発言でそこにはひとかけらの悪意もない。
しかし果たしてそれでいいのか。
本質的には、そういった子たちは自分たちの中で”答え”は決まっている。
それを後押ししてほしいかどうかで相談しているのではないか。
女の子みたいだね。
そもそも自分が人生をぶん投げるかどうかの選択を他人にぶん投げるべきではない。
聞いたものは応援するか安全策を提示するかしかできないのだから。
あの時の僕は卑怯者だった。今でも僕の心には鋭いとげが刺さっている。
きっと今ならこういうだろう
「そんなのROCKじゃない。一度きりの人生なんてぶん投げちまえ」
今後自分が、正解だと思える道を見つけられるその時まで・・・