イタリア行きたい。

おおよそ誰の役に立たないブログを書いています。

「アルキメデスの大戦」を見た心が叫びたがっているんだ

僕も天才数学者になりたかった、いや菅田将暉になりたかった。

 話題作「アルキメデスの大戦」を見たので雑感を述べます。

f:id:karinoid117:20190730140031p:plain

 

最近、若手人気俳優を使った邦画を避けていたんですが、見に行ったら菅田将暉に惚れました。あそこまで他者を寄せ付けないオーラを放ちつつ、我を通し続ける主人公「海 直」を演じる菅田将暉人間性として大きな成長は見られないかなと思えるほどに完成された人格ですが、その深層にある好奇心というものを表層にダストあっという間に人格がかわってしまうといまう怪演にとんでもなく惹かれてしまいました。彼自身の作中でのチートぶりはもはや感動を覚えるもので、都合がよすぎるとかあり得ないでしょとか思うところですが、ただひたすらにすごい・・・という感想を抱くことしかできませんでした。

 

新造戦艦を決める会議というものは資料では見たことがあるのですが、そういった西部までこだわられている作りがよく分かり、なんでそこに人が座っているんだ?とか、そんなでっかい模型を作っていくんだとか疑問に思っていた構図も完全に再現されていて、裏取りをする取材協力もかなり気合いを入れている作品なのだと感動しました。こういった歴史物はなかなか一致していないところや重要でないところはないがしろにされていたりする作品もあるのですが、そういった所まで大切にしていることがとても強く感じました。当時の国の雰囲気。戦争の勝利の味に酔いしれる国民の雰囲気や過去にはびこっていた軍人思考などとても痛快に描かれていて笑ってしまうシーンも。当時の日本をおとしめるでも持ち上げるでもなく、協調的に書くことでいかにして当時の人間が真珠湾戦争へと向かっていったのかがはっきりと分かる流れになっていました。

 

壱番感動を覚えたのは前の部分でも触れている軍人思考です。上層部での騙し合い、癒着、根回しは当然のこと、相手を蹴り落とすための不貞を徹底的に糾弾する考え。特に会議に関しては面白く、「そんなこと関係ないじゃん」とか又脱線するの?wwwといった会議が下手というか、自分のやりたい方向に持って行きたいがためにむちゃくちゃをする様子が描かれていて、面白くて仕方が無かった。最後は結局感情かよっっwといった突っ込みが飛びましたね。

 

でもこの作品で1番好感を持てたのは、戦艦を侮辱していないこと。機能としては時代遅れかもしれないけど、やはり戦艦というものはやはりロマン、美しい存在なんです。主人公の海も作中でなんども美しい、と言っていました。それほどまでに戦艦というものは人間の作り出した最高に美しいものなんですよね。確かに大和さえあれば、絶対に負けないと勘違いを起こしてしまう。それほどまでの圧力を表現できていました。

 

総評として、「アルキメデスの大戦」は菅田将暉の美しさと、戦艦長門戦艦大和の美しさを見る映画だったと言えるでしょう